なにゆえ、わたしは人知れずおりる胎児のごとく、 光を見ないみどりごのようでなかったのか。
なにゆえ、わたしは人知れずおりる胎児のごとく、光を見ないみどりごのようでなかったのか。
呼吸もせず、陽の光を見ることもない 死産の子だったらよかったのだ。
なぜわたしは、葬り去られた流産の子 光を見ない子とならなかったのか。
なにゆえ、わたしは人知れずおりる胎児のごとく、/光を見ないみどりごのようでなかったのか。
胎から墓に運ばれて、 初めからなかった者のようであったなら、 よかったのに。
あるいは、こがねを持ち、 しろがねを家に満たした 君たちと一緒にいたであろう。
かしこでは悪人も、あばれることをやめ、 うみ疲れた者も、休みを得、
また溶けてどろどろになるかたつむりのように、 時ならず生れた日を見ぬ子のようにしてください。
あなたがたの釜がまだいばらの熱を感じない前に 青いのも、燃えているのも共につむじ風に 吹き払われるように彼らを吹き払ってください。
しかし、この両者よりもさいわいなのは、まだ生れない者で、日の下に行われる悪しきわざを見ない者である。
たとい人は百人の子をもうけ、また命長く、そのよわいの日が多くても、その心が幸福に満足せず、また葬られることがなければ、わたしは言う、流産の子はその人にまさると。
そして最後に、いわば、月足らずに生れたようなわたしにも、現れたのである。